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本記事をご覧になる前に、必ず こちら の記事をお読み頂き、趣旨をご理解頂けた方のみ、下記内容をご覧ください。2021.10/26
はじめに
本記事は、妙 ⁂ 見@Unicornaholic氏(TwitterID @myoken11)(以下、妙見氏)が制作されましたTogetterまとめ(URL:https://togetter.com/li/1191876)に関しての回答となります。
・ご留意いただきたい点は以下となります
1.本記事は、前世記憶に関する真実性、病理性の肯否いずれの立場も取らないものとします。
2.製作者である妙見氏を攻撃する意図は一切ございません。この記事によって妙見氏御本人を傷つける事がもしあれば、お詫び申し上げます。
3.本記事に関しての個別質問、要望への回答は原則として致しません。その点を了承の上、ご覧ください。
・本記事を投稿させて頂く目的は以下となります
1.まとめにおいて出された「精神的な分野の専門家のケアが必要」との結論が「平安時代の前世の人物について調べてみた」という主題の趣旨と異なる見解であり、当人の専門知識に基づいておらず、実際に誤った情報が放置されたまま拡散している。また、鵜呑みにした閲覧者からの誤解や中傷が生まれている為、専門知識を用いた説明を要する。
2.1の内容に対し精神的な分野のケアが専門範囲に入る私の、専門知識に基づいた情報をお伝えする
【歴史資料の考察として語られている部分に関しての回答と、妙見氏への謝辞】
私は平安時代の専門家でも無ければ、歴史マニアでもありませんので詳しい事は分かりません。よって大筋で妙見氏の考えを尊重しているという事をお伝えさせて頂きます。また、丁寧にお調べ下さった点にまず、感謝を申し上げます。
私が人差し指を立てる癖があり、前世(と思われる人物)の肖像画を見た時に同じように人差し指が立っていたと発言しました。
特にこれに関しての考察は大変参考になり、記載されているような風習があることも知りませんでした。自分自身を見直すとてもよいきっかけとなりました。
「鮮明に話せる」という書き方をしてしまった為、あらゆる事象を事細かに話せるといったイメージで伝わってしまった可能性があり、反省しています。
歴史学者は根拠のない情報は関与しないので歴史は変わらないと仰る点も、その通りだと思います。学識ある方々は現実的な検証に基づいて調査を行っている筈です。研究、教職を名乗る方から連絡を頂いた事はありますが、あくまで個人的な話です。公で行わないでしょうし、そのような事はあってはならないと思います。
但し、まとめの投稿日以後私の方で多くの情報を更新しておりますので、閲覧される方はかなり古い情報になっている事にご留意下さい。「この件について今後何か書く事は無い」とご本人が明確におっしゃられていますので、更新される事はありません。
【精神的な専門家のケアが必要との結論について】
こちらが、本記事の主目的となります。
・私の専門性の説明
私の専門分野は社会福祉学です。
社会福祉学というと極めて広義の概念になりますが本件に関連するものに絞って説明すれば精神障害者のケアを行う事を目的とした「精神保健福祉」というものが専門に入ります。精神科医ではありません(ただし医療は学びます)医療業務に特化したものが医師とすれば、精神障害者の心的支援、自立支援など、各種病院や施設での医療行為以外の福祉業務に特化した専門家になります。
簡単に言うと、お薬を出すほうの人ではなく、カウンセリングして復帰を助けるほうの専門家です。
4年制大学と4年制専修学校の掛け持ちで学び、必要な資格を習得し、実業務はいつでも可能ですので専門と言って差し支え無いと思います。統合失調症の方の相談援助記録を作成した事もあります。
私の学科は心理、精神保健分野に精通していたので、いずれ大学院に入り臨床心理士をしたいと思っていましたが現在は専門外の職業に従事しています。
学んだ事以外でも、ある程度専門知識に照らし合わせて判断をする事が可能です。ただし自分を自分で解析するというかなり特殊な条件下である為、論理的、客観的な視点を損なわないよう極力心掛けます。
ちなみに専門外の職業を選んだ理由は、髪染めてあごひげ生やしてアロハシャツ着てサンダル穿いたまま勤務できて給料良くて中抜けもできて家で猫と1日2時間以上遊べる仕事が良かったからです。
専門性の判断については、これ以下に記載する内容から信頼に足りうるものかどうかご判断頂ければ幸いです。
・精神的なケアの必要性と病理性の判断について
まず、症状が存在する事と、精神的なケアの要否とは全く違うという事を知って頂きたく思います。
精神の病理性の定義というのは「苦痛・異常を伴う心理的症候群または行動様式」とされています。そして、それにより当人が日常生活に支障をきたす場合にはじめて「専門家のケアが必要な状態」となります。
例を申し上げると、アスペルガーの方が居たとします。この障害の特性として特定の事象への強いこだわりや他人の感情を読み取る能力(非言語コミュニケーション能力)が欠陥しているといったものがあり、社会、対人におけるコミュニケーションで永続的な問題を抱えるとされます。
彼らに対して「専門家のケアが必要な状態」というのは、障害特性が原因で度々トラブルが生じる、対人関係でうまくいかない(職場に馴染めない、学校でしばしば問題を起こす等)その他苦痛により当人がケアを望んでいるといった場合です。
当人の対人関係が良好で、自己の特性を客観的に把握し、健全な社会生活が出来ているといった場合に専門家のケアは必要ありません。
何故かと言うと、ケアというのは当人が円滑で幸福な社会生活を送れるようにするためのものであり、完治が目的ではないからです。
それは精神医療、精神保健福祉が、障害を分離する事なく一般的に受け入れる考えを実現するという『ノーマライゼーション』という理念で成り立っているからです。これは根幹理念にあたるため、アスペルガーだけでなく精神障害、その他あらゆる分野の障害において適応されます。障害が区別される事なく、隠されることもなく、社会生活が出来るようにするというのがケアの根幹とお考え下さい。
精神医療になぜノーマライゼーションを適応しなければいけないのか、という事を確かめたければ「退廃芸術」とか「宇都宮病院事件」といったキーワードで検索をして頂ければお察し頂けるかと思います。
精神病はそもそも科学的根拠に依存していません。時代や社会通念によって病理性も、その定義も変化するものです。また各種障害特性が、社会的に良い作用をもたらす事(アスペルガーに見られる情報処理能力の優位性など)もあり得ます。
それらを包括し、現状可能な限り合理化した上で現在のケア理念が構築されていて、病理性を決めつける事での偏見、迫害、隔離を防ぐという大きな原則の元で動いているとお考え下さい。
そして私は現在、自立した生活を営んでおり、家族や友人とも円滑にコミュニケーションが出来ています。生活に問題をきたす事もなく、苦痛を感じてもいなければケアを望んでもいません。
そして最も重要な事を申し上げます。
精神医学において、前世記憶を病気だと結論付ける見解が公式に出された事はありません。
精神障害の診断と統計マニュアルや国際疾病分類にもそのような記載はありません。
「自分はイエスの生まれ変わりだ」とか言って奇行に走って精神病院に入院するといった方は割といらっしゃいます。これは、前世記憶が精神疾患だという結論に基づいて入院している訳ではありません、その他の複合的な要因により当人の社会生活が困難であるために入院しているのです。
当人の生活がどうなっているのか、症状は何がどれくらいの頻度で現れているのか、場合によっては身体検査も含めて何週間もかけて病理性の判断を行っています。
更に、その後の援助についても経過を事細かに観察しながら長い時間をかけて行います。
当人の人間性や日常生活がどうなっているのかを無視し、一側面だけで病理性、ケアが必要と判断できる人間はおりません。仮に複合要因を疑うのであればそれは日常生活に現れてきますので、なおの事です。
「措置入院」という強制性をもったものがありますが、しかしこれに関しても「自傷他害のおそれが明らかであること」とありますので私には全く当てはまりません。そして、「指定医2名以上の診察の結果が、精神障害者であり、かつ、医療及び保護のために入院させなければその精神障害のために自身を傷つけ又は他人に害を及ぼすおそれがあると認める事を要する」と精神保健福祉法にて定められており、その他に多くの条件が存在します。
『前世記憶のような物を思い出し、それをTwitterで話した』という事だけでは、ケアの要否は判断できません。
「病気の可能性がある」まではギリギリOKです。しかしすべて一括りにして、あるいは一側面のみで判断して「専門家のケアが必要」と結論付ける事はできません。また、その認識を一般に広める事は正しくありません。
ケアには7つの原則があり、その1つ「個別化の原則」といって依頼者の抱える問題は人それぞれであり、同じ問題は一つとして存在しないため一括りにしてはいけない、というものがあります。
「ケア」の概念では上記の理由から一側面だけで捉えたり、一括りにして考える事は絶対にしません。
「なるべく早い段階でケアをしたほうが良いのです」「ケアを優先させるべきなのです」「病状を悪化させるよりも」とありますが、病理性やケアの要否は前述した通り日常生活面の調査や長期間の診察や面談を行わなければ導き出す事が出来ないはずなのですが、twitterにおける数回の私の発言のみでそのような判断を行うことが可能というのであれば、精神医学、社会福祉、精神保健福祉、相談援助、臨床心理などの観点から整合性の取れるデータもしくは論理を上げていただかなくてはなりません。
この書き込みをした時点で、断定した専門的根拠は何であったのかという事です。
私としましても、そのような事が可能かというのは興味がありますし、可能であればそれを行う事により問題が生じないのかという所も非常に気になります。少なくとも学んだことはありません。
以上の事から「精神的な分野の専門家のケアが必要」との判断は誤っているというのが私の結論になります。
・脳の病気の判断基準としている内容について
妙見氏の考察では結論づける例として前世記憶がらみの事件をあげておられますが、これだけではもちろん判断基準にはならず、否定的見解の一例だけ引用をして、更にそれを広めるのはどうなのかな、と思いました。
「記憶の再構築」との事ですがこの例においては退行催眠と記載されていますので厳密に言えば私の状況とは異なります。だたし「可能性がある」という点では同意します。
中立性を持たせるため私からも一例を提示致します。
精神医学の博士イアン・スティーヴンソンが前世記憶を持つとされる子どもの事例を2300例ほど集めて行った「生まれ変わり現象」の研究というのがあります。こちらの記事をご参照下さい。
前述の通り精神医学において、前世記憶を病気だと結論付ける見解が公式に出された事はありません。前世記憶に関する症例の研究が現在まで引き継がれて続いているという事実が存在します。また、過去起こった一例のみを参考にし、生まれ変わりの主張をする事=病気であると一括りにして判断することはあり得ません。
音に色が見えるというのは「色聴」や「共感覚」と言われる生得的特性で、妄想障害ではなく、科学的に解明されている現象です。この現象は病気ですらありませんし、統合失調症における妄想、幻覚の現出とは性質が異なる為完全に間違っています。
またそれを「統合失調症か何か」という形で一括りにして発信するのは絶対にやってはいけない事です。これに関しましても、まとめに掲載し、広めた根拠を知りたいです。
【私の現状の立場について】
まず、重ねて申し上げますが本件においてまとめ制作者、妙見氏を攻撃する意図は一切ありません。私の個人的な事象によりご迷惑をおかけする事に申し訳無く思っております。これ以上無駄な議論が起こったり、無意味に拡散される事も本意ではありません。本記事を投稿した意図は、歴史考察と無関係の不適切な情報が広まってしまったため書かざるを得なかった、不適切な情報が広まる事によって生じる多方面への悪影響を、社会福祉学的観点を主軸に道義的及び合理的に判断した結果だという事を理解ください。
バズった事によって多くの影響があった事、その予測が出来なかった私自身の無計画性も反省しております。
私は前世記憶について肯否どちらの立場でもありません。
現状解明されていませんので客観的に見てそう判断しています。そして私の目標は、これが真実であっても病気であっても事実と病理性が混在していても、前世記憶を持つと自称する人達を包括し、彼らの、あるいは彼らの取り巻く人々に害が及ばないように知識を使って最適解を導く事です。これであれば立派な特性の活用であり、ノーマライゼーション理念にも適合していると考えております。
また、これは超個人的にですが、自分を客観視できないスピリチュアル系の人は妄言を言うだけで意味がないし、自分を客観視できない学者系の人は狭い視点から固まった考えを言うだけで意味がないと思っています。
従って特定の枠組みにはまる事無く、最適解が導かれることを願っているというのが私の立場になります。
【最後に、まとめや考察記事を作る、見る方々へ伝えたいこと】
間違いのない判断は「考察」だけではでは絶対にできません。「結果」が必要となります。
考察の段階ではどのような解釈でもできてしまうので、ネット上の、更に特定個人の解釈を鵜呑みにするというのは極めて良くない事です。
例えば、真っ赤なリンゴが目の前にあったとします。
「このリンゴは色鮮やかだから、実際に鮮度が良いだろう」と考える事もできるし
「着色料がついているだけだから、実際は鮮度が悪いだろう」と考える事もできます
これが考察です。考察の段階では正反対の見解も出せるのです。
そして結果は、実際に食べて味を確かめなければ分かりません。
私の事象に関していえば、前世記憶が真実なのか、病気なのかというのは歴史的にも科学的にも精神医学的にも証明がありません。どうあがいても「結果」は出せません。科学的に解明されるか自分の話した記憶通りの資料が後天的に見つかるまで分からないのです。つまり現段階では、リンゴを食べて味を確かめる事が出来ないのです。
あかの他人を好き勝手に調べてまとめあげる訳ですから相手が向こう側に居る事を把握して、どんな人物なのだろうか、嘘の情報や誤った認識を拡散していないだろうか、相手に危害が及ばないだろうか、コメントをして傷つかないだろうか、という事を振り返って考えながら利用してただけると大変良いものが生まれると思います。
まとめを作る方は、そういった点に留意してクオリティの高い物を製作していってほしいと思いますし、まとめを見る方は、考察と結果は違うという事を意識して鵜呑みにせず、情報を正しく分別してほしいと思います。
それを伝えて終わりに致します。ご覧くださり、ありがとうございました。
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